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Ich-AG の成果は期待外れ?

   連邦政府はハルツ改革(労働市場改革)の一環として導入した「Ich-AG(私-株式会社)」が新しい起業家ブームをもたらすことに大きな期待をかけていたが、導入後15ヶ月間の成果は期待外れのようだ。しかし、連邦雇用エージェンシーは、Ich-AG プロジェクトが挫折したわけではないと見ている。

 連邦雇用エージェンシーによると、127354人が200311日に導入された「Ich-AG」(補助金を支給して起業家を援助する)を設立したが、20043月までに11584人が Ich-AG から撤退した(約9%)。新しい起業家の登録件数も増えており、20043月には13090人が Ich-AG を設立したが、2004年第1四半期に廃業した起業家数は昨年全体よりも多かった。

 連邦雇用エージェンシーは、起業家が2年目からの補助金更新の申請を怠っていることが廃業の主因だと分析している。Ich-AG 設立後1年が経過する前に次の年の補助金申請をしなければならないが、それを怠ると資金援助が終わり、統計からも削除される。20033月までに7300人以上が Ich-AG を申請した。

 完全に Ich-AG から撤退した約4200人の行方は把握されていない。廃業理由としては、新しい職場が見つかって再就職したこと、失業手当請求権があるために Ich-AG から退き、再び失業を申請したことなどが考えられる。例えば、Ich-AG の補助金600ユーロから社会保険料を差し引くと、183ユーロしか残らず、失業手当の方がはるかに多いという。

 Ich-AG 設立条件は、起業家が失業手当ないし失業扶助を受けていたか、雇用創出措置の一環として働いていたことだけである。ビジネスアイディアの収益性に関するビジネスプランを提示する必要はない。年間利益が25000ユーロを超えない限り、最高で3年間補助金が支給される。補助金は、初年度が月額600ユーロ、2年目が月額360ユーロ、3年目が月額240ユーロ。

2004419日)

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