オバサンの独り言 先日、マリエン広場をぶらぶら歩いていたら、「1ユーロショップ」という看板が目に入った。「これって、百円ショップのこと?」と、興味津々に店に入ってみると、アジアショップ特有の匂いがプーンとする。ただ積み重ねたダンボールの中に「メイドイン?」を思わせるような品物がたくさん並んでいた。こんな安物をドイツ人が買うんだろうかと思って、周りを見回すと、外国人だけでなく、ドイツ人も結構多かった。 「マリエン広場に開店するなら、日本の元祖「百円ショップ」でも見学して、もう少し工夫をしてほしいわ ねぇ」などと考えながら地下鉄の駅に行くと、今度は、あるデパートの「全商品50セントコーナー」と「全商品1ユーロコーナー」の広告が目に入った。うーん、遂にドイツの不況もここまできたか・・・。 ドイツで最も購買力があり、裕福な都市ランキング で1位のミュンヘンでも(但し、行政のミュンヘン市は大赤字!)、最近はレストランが安いランチ定食や食べ放題メニュー、日替わりメニューなどで競っている。ユーロ導入後、外食が一気に高くなったことや不況が長引いているせいか、 客が急減し、外食産業の経営は厳しいらしい。そこで、レストランは「全品5ユーロ !」などの安いランチで客寄せに必死である。 安いランチで人気があるのが「シュニッツェル(カツレツ)」だそうだ。なぜか? シュニッツェルは「安い料理」というよりも「ちゃんとした料理」というイメージがあり、しかもおいしい。しかし、それだけではないらしい。 比較的安い肉(子牛肉ではなく豚肉)を仕入れ、肉の薄切りを力いっぱいたたいて平べったくすれば、少ない量で何人分ものシュニッツェルができる。しかも、お皿からはみ出るぐらいに平べったいので、ボリュームたっぷりに見える。満腹させる安い付け合せ(ポテトサラダ、炒めたジャガイモ、フライドポテトなど)を盛れば、見掛けもよく、お腹もいっぱいになるというわけ。これが、客にもレストランにも好まれるシュニッツェルの人気の秘訣なのだそうだ。 ドイツのシュニッツェルは日本の牛丼のようなものか。百円ショップと牛丼、1ユーロショップとシュニッツェル。似ているではないか。不況の時代に人が考えることは何処も同じようだ。 (2004年4月19日)
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