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行政裁判所、兵役召集手続きは恣意的

   ケルン行政裁判所は421日(水)、200371日に導入された兵役召集手続きを「恣意的」とする判決を下した。召集ガイドライン規定は明らかに基本法の恣意の禁止に違反しているとしている。

 これは兵役義務そのものを覆し得る判決であるが、連邦国防省によると、他の行政裁判所が反対の判決を下しているため、さしあたり、兵役召集手続きへの影響はないという。連邦国防省が上告する方針であることから、ライプチヒの連邦行政裁判所が最終的な判決を下すことになる。

 21歳の大学生が今年15日から兵役につかなければならなかったが、「学業の中断は許容できない苛厳である」として、行政裁判所に訴えていた。200371日に導入された召集ガイドラインによると、結婚している兵役義務者、23歳以上の男子、徴兵検査で適格性が制限された男子は兵役義務を免除される。

 ケルン行政裁判所はこの召集ガイドライン規定が平等な兵役の原則に違反すると判断した。広範に及ぶ例外は法的根拠に欠ける。しかも、召集対象になる若者の半分以下しか実際に徴兵されていないことも、平等な兵役に反している。従って、訴えていた大学生の召集は基本法に違反する恣意であるとした。

 緑の党のベック氏はこの判決を歓迎している。政府が計画している国防軍の縮小は平等の原則に対する違反をさらに拡大することになるとして、兵役廃止を要求している。キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の国防担当スポークスマンは、シュトルック国防相が兵役義務を保持する方針であるならば、現行の徴兵基準を取り消して、平等な兵役を再び構築しなければならないと語った。

 今回の判決は兵役義務実施方法に関する決定であり、兵役義務法や兵役義務そのものには触れていない。しかし、兵役義務廃止論争が再び活発になることは確実だ。シュレーダー首相とミュンテフェリング SPD 党首は兵役義務を保持するかどうかの決定を迫られており、保持する場合には、平等な兵役を再び構築しなければならない。

2004426日)

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