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青少年のアルコール問題が深刻化

   連邦政府のカスパース・メルク麻薬専門委員が422日(木)に発表した麻薬・中毒報告書によると、2003年の麻薬による死亡数は前年比2,4%減の1477人だった。これは1989年以来最低の水準である。同専門委員は、不法な麻薬消費による死亡件数の減少は連邦政府の麻薬対策の成果であると評価した。麻薬による死亡者の10人に1人が若い移住者であることから、このリスクグループの予防と治療を改善しなければならないという。

 また、カスパース・メルク専門委員は、カンナビスの危険性を過小評価することを警告している。依然として、マリファナがドイツで最も消費される不法麻薬で、1824歳の若者の約半分が最低一回はマリファナを経験している。

 しかし、ヘロイン、メタドン、アヘン、モルヒネのようなアヘン剤の消費はほとんど広まっていない。1859歳の市民の1,4%だけがすでに一回の経験がある。また、コカインを消費したことのある人は3%であった。デザイナー麻薬のエクスタジーは2,4%。

麻薬による死亡数が減少する反面、未成年者のアルコール乱用件数は急増している。2000年から2002年にかけて、アルコール中毒で病院の治療を受けた未成年者は26%ほど増え、その内の女子の割合が50%に達した。2000年は19歳以下の若者のアルコール中毒件数が10661件であった。全体的に、アルコール消費は男性も女性も減少傾向にあるが、毎年、42000人以上がアルコールが原因で死亡している。

 カスパース・メルク麻薬専門委員は、アルコールを飲む青少年が増える傾向を指摘して、アルコポプス(Alcopops)に対する特別税課税は正しい措置だと評価した。子供や若者のアルコール入手を抑制しなければならないという。甘いアルコポプスは18歳以下の若者の間で最も人気のあるアルコール飲料で、20015月から20024月の間にその販売数は325%も増加した。外国の例から、課税で需要を著しく低下させ得ることが明らかになっており、連邦政府はアルコポプス275mlビンに83セントの特別税を課す計画である。(200431日の主要ニュース参照)

 また、政府は、タバコ税引き上げと警告表示により、タバコの消費も抑える方針である。特に、タバコを吸い始める年齢が年々低くなっていることが深刻な問題である。毎年、11万人以上がニコチンを原因とする病気で死亡していることから、喫煙率をさらに低下させなければならないという。その一環として、学校を禁煙ゾーンにすることなどが検討されている。依然として、喫煙がドイツで最大の回避可能な健康リスクである。

 喫煙者の4人に1人は一日に6本以上のタバコを吸っており、「危険な喫煙者」である。男性の喫煙者は減少する傾向にあり、男性における喫煙者の割合は過去7年間で43%から37%に低下したが、女性における喫煙者の割合は30%で変わっていない。

2004426日)

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