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六大経済研究所、春の共同経済見通しを発表

 六大経済研究所は4月27日(火)、春の共同経済見通しを発表した。それによると、2004年度国内総生産成長予測は1,7%から1,5%に下方修正された。2005年の成長率も1,5%と予測している。経済研究所は、連邦政府の財政政策に明確なコンセプトがないことを批判すると共に、労働市場改革の過剰評価を警告した。失業率は高水準のまま推移すると予想している(2004年の失業率10,2%、2005年10,1%)。特に、改革論争と高い失業率が力強い成長の妨げになっているという。

 経済研究所は連邦政府に対して、労働市場改革と税制改革の継続と予算の建て直しを求めた。2005年までにさらに120億ユーロを節約しなければならないという。緊縮財政を実施しなければ、2005年もマーストリヒト条約の「安定協定」に違反すると警告している。世界経済が力強く成長するのに対して、ドイツの経済成長率は2004年も2005年も1,5%にとどまる見通しで、これはユーロ圏の経済成長率1,6%/2%をも下回っている。

 しかし、経済研究所は、ドイツ経済がゆっくりしたテンポではあるが、停滞から抜け出し始めていると見ている。世界経済の成長の恩恵を受けて、ゆっくりながらも生産と需要が再び上昇しているが、個人消費はまだ弱い。輸出は、ユーロ高にもかかわらず、力強く成長する世界経済に引っ張られて今年も増加すると予想している。

 経済研究所は、「消費者の大きな不安」とそれに伴う「消費抑制」が公共予算に大きな影響をもたらすことを警告している。連邦の赤字は今年、国内総生産の3,7%、2005年は3,5%に達すると予測している。今年の公共予算の赤字は800億ユーロになる見通しで、その内の約半分が連邦の赤字である。

 与党の予算担当議員も2004年の予算は維持できないと見ている。5月半ばの租税収入見通しが発表されれば、さらなる欠損が明らかになる。すでに2004年度予算に計上されていたトラック高速道路使用料収入と連邦銀行の利益が不足している。脱税者恩赦措置による税収入も予想を大きく下回っている。連邦財務省は今年の新規借入を293億ユーロと見込んでいるが、400億ユーロに膨れ上がるのではないかと懸念されている。

2004年5月3日)

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