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労働時間は短縮、賃金は上昇

   連邦統計局が4月28日(水)に発表したところによると、ドイツの被雇用者の労働時間は1970年以来減少しているが、名目上の1時間当たり賃金は上昇した。但し、1990年代に賃金の上昇が顕著に鈍化し、労働時間短縮傾向も抑制された。

 連邦雇用エージェンシーの労働市場・職業研究所の算定によると、旧西独の被雇用者の年間労働時間は1970年に平均で1879時間であったが、1991年には412時間ほど少なくなった(ドイツ全体では406時間減少)。この労働時間短縮は、労働協約の週労働時間が短縮されたこと、年次有給休暇が増えたこと、超過勤務が削減されたことに起因している。また、1990年代はパートタイム勤務の増加が顕著であったため、2003年までにドイツの年間労働時間はさらに111時間減少している。

 労働時間短縮と並行して、名目上の1時間当たり賃金は平均で1970年の約4ユーロ(旧西独)から1991年は15ユーロに上昇した。ドイツ全体では1991年の平均時間給が13ユーロで、2003年は20ユーロ。

 しかし、この名目上の賃金上昇は可処分所得には現れていない。名目上の1時間当たり賃金が19970年から1980年にかけて9,1%上昇したのに対して、実質賃金の上昇率は3,1%だった。1990年代は名目上の賃金が3,2%増だったが、実質賃金は0,6%増。

 1970年代と80年代は、特に比較的高いインフレ率と労働生産性の向上により、協約賃金が上昇した。90年代は、特に旧東独の協約賃金の西ドイツ水準への適応と好景気が賃金上昇の要因となった。

200453日)

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