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疾病金庫、医薬品節約目標達成を懸念

   疾病金庫は、保健改革にもかかわらず、医薬品支出削減目標を達成できないのではないかと懸念している。連邦企業疾病保険金庫連盟(BKK)のスポークスマンは、医薬品支出は減少せず、停滞するにとどまると予測している。今年1月と2月は医薬品支出が大幅に減少したが(1月は34%減、2月は18%減)、3月は1,6%しか減少しなかった。今年第1四半期の医薬品支出は5%減であった。地域によっては、支出が6%も増えている。

 今年は、処方箋義務のある医薬品の制限、自己負担の増加などにより、医薬品支出の約12%減が見込まれている。しかし、疾病金庫は、医者が無駄な高い医薬品を処方しているために、節約努力の効果が失われてしまうことを懸念している。疾病金庫が負担しない医薬品の代わりに、処方箋義務のある高い医薬品を処方しているという。

 それに対して、保険医は、患者が保健改革前に薬を買いだめしていたが、その備えが無くなってきたことが医薬品支出増加の原因だと見ている。また、経過規定が明確でないために、引き続き、処方義務のない医薬品を処方しているという。

 シュミット保健・社会相は、節約を「作為的に少なく計算している」として、疾病金庫を批判した。実際には、今年第1四半期の医薬品支出は前年よりも9億ユーロほど少なくなっており、これは保健改革の成果だという。シュミット保健・社会相は依然として、今年の医薬品支出が30億ユーロほど減少するものと見込んでいる。

2004年5月10日)

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