ドイツのニュース

雇用市場の改善見られず

   4月の失業率は3月よりも多少低下したが、雇用市場の絶望的な状況を隠すことはできない。雇用市場回復の兆候は年頭よりも薄れてきている。4月としては1990年のドイツ統一以来最高の失業者数であった。

 連邦雇用エージェンシー(旧連邦労働庁)が5月5日(水)に発表したところによると、ドイツの4月の失業者数は3月よりも104100人減少して444万3000人になった。これは1995年以来最低の減少幅で、通例の春の回復が弱かった。統計方法が変わったために、失業者数は前年4月より53300人減少したが、従来の統計方法では18900人増加している。失業率は10,9%から10,7%に低下した。

 旧西独の失業者数は2804738人(失業率8,5%)、旧東独は1638643人(失業率18,8%)。季節調整済み失業者数は3月よりも23000人増加して436万7000人だった。季節調整済み失業率は9,7%から9,8%に上昇した。また、2月の就業者数は季節調整済みで20000人減少して3760万人であった。1年前より約95000人少ない。

 ヴァイゼ総裁は、2004年の年平均失業者数は2003年よりも約6万人増えるものと予想している。雇用市場に推進力をもたらすには、経済成長が弱すぎるという。しかし、第2及び第3四半期には景気が回復すると楽観的な見方を示した。労働市場改革手段としては、Ich-AGだけが多少の効果を表しており、これまでに123000人の失業者が起業した。今年1月以降は約49000人が起業している。ヴァイス長官は、今年の年平均失業者数は436万人と予想している

 クレメント連邦経済相は、回復し始めた景気がまだ雇用市場に及んでいないと語った。しかし、今年の失業者数を400万人以下にするという目標を堅持している。それに対して、野党は、改善の見られない雇用市場は政府の無能の表れと評価している。

20045月10日)

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