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会計検査院、国の財政赤字増大を警告

   連邦と州の会計検査院は、逸脱する連邦財政赤字にストップをかけるよう連邦政府に強く要請した。借入で予算編成することを禁止し、現実的な予算計画を作成するよう勧告している。また、連邦と大半の州は、中期的に財政黒字を達成するという目標を断念してしまったと批判した。

 会計検査院は、2003年に国の負債額が820億ユーロ増えて1兆3260億ユーロ(国内総生産の62%)に膨れ上がったことを指摘して、この急激な増加が過小評価されていることを警告した。早期の徹底した対処をしなければ、この莫大な債務から脱出することはできないとして、財政建て直しのための長期的改革戦略を連邦と州に求めた。

 また、会計検査院は、基本法に定められている上限、すなわち、新規借入は投資を上回ってはならないという上限が無効になっている事実を指摘した。それとの関連で、投資概念の狭義化を提案した。

 原則的に、予算計画の信頼性が危機にあると見ている。予算案が可決された直後に、収入減少や支出増加などの形で巨大な穴が出てくることは受け入れられないとしている。予算計画とは、最も都合のよい数字(経済成長、税金収入、雇用の最も楽観的な数字)で作成するのではなく、経済全体の発展に基づいて慎重に作成しなければならないと厳しく批判した。

20045月10日)

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