ドイツのニュース

大都市の犯罪が増加

    シリー連邦内務相が5月3日(月)に発表した警察の2003年度犯罪統計によると、2003年に警察が把握した犯罪(登録件数)は1,0%増の6572135件であった。2002年よりも64741件増えたことになる。頻度数(住民10万人当たりの犯罪件数)は7963件で、1998年以来8000件を下回っている。検挙率は53,1%(2002年は52,6%)で、1998年以来52%を上回っている。

 2003年の暴力犯罪は204124件に3,4%増加した。特に、重度の傷害と危険な傷害(4,5%増)、子供と青少年の暴力犯罪が増えている。強姦と特に重度の性的強要は1,8%増、強盗は1,6%増。殺人は4,6%減少した。この傾向に反して、ミュンヘンは暴力犯罪が5%弱減少した。ベルリンの暴力犯罪も3%減の21464件であったが、強姦は733件で10年以来最高となり、子供の虐待も約24%増加した。

 2003年は財産犯罪と偽造犯罪が100万規模の損害をもたらした。フランクフルト、ハンブルク、デュッセルドルフで詐欺罪(特に信用詐欺)の急増が見られる。PINコードなしのクレジットカードの詐欺が最も増えており、信用詐欺は22,8%増。

 それに対して、窃盗(自動車窃盗、家宅侵入など)は2%減少した。自動車窃盗件数は10%減の約63000件であった。ベルリンでは、家宅侵入が16%減。シュツットガルトとハンブルクでも減少している。しかし、フランクフルトでは、家宅侵入が25%増加した。ドイツの犯罪の約半分は窃盗である(47,5%)。

 都市別に見ると、フランクフルト(人口約65万人)の犯罪件数は12%増の111875件であった。10万人当たり犯罪件数は17159件で、ベルリンに代わって「統計上最も危険な都市」になった。ベルリン(人口340万人)の犯罪件数は3,4%減の563905件、10万人当たり犯罪件数は16620件。ハンブルク(約170万人)は0,8%増の271393件、10万人当たり犯罪件数は15698件。デュッセルドルフ(約57万人)は3,3%増、10万人当たり犯罪件数は約15200件。ケルン(100万人弱)は3,7%増、10万人当たり犯罪件数は約14200件。ミュンヘン(約120万人)は1,3%増の127447件、10万人当たり犯罪件数は9181件。シュツットガルト(約58万人)は2,9%減の50227件、10万人当たり犯罪件数は8535件で、「統計上、最も安全な都市」であった。

 10万人当たり犯罪件数が最も多いのはフランクフルトで、ベルリン、ハンブルク、デュッセルドルフ、ブレーメン、ケルン、ドルトムントが続く。旧東独のライプチッヒも15400件で、1万の大台を超えた。1万件を下回ったのはエッセン(9800件)、ミュンヘン(9181件)、シュツットガルト(8535件)。

20045月10日)

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