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4月の消費者物価、大幅上昇

   連邦統計局が5月12日(水)に発表したところによると、ドイツの4月のインフレ率は3月の1,1%から1,6%に上昇した。ここ2年以来最高の水準である。特に石油とガソリンの価格上昇が消費者物価を引き上げた。石油は3月比3,4%、前年比2,9%高くなった。石油とガソリンを除くと、4月のインフレ率は1,5%だった。

 また、4月の物価上昇には保健改革も影響している。医薬品は3月より8,8%、前年4月より19,4%も高くなっている。鉄道の長距離運賃は3,1%上昇した。

 4月の消費者物価指数は3月に比べ0,3%上昇しており、物価上昇傾向が安定化している。昨年12月以来、消費者物価は毎月上昇している。EU方式の消費者物価指数では、ドイツの4月のインフレ率は前年比で1,7%、前月比で0,3%。ユーロ圏の4月のインフレ率は2,1%。

 消費者の支出が全体的に停滞していることから、消費者はガソリンスタンドと薬局での値上がりを他のところで調整しなければならない。ドイツ小売業連盟によると、消費者の買い控えのために価格競争が激しくなっており、今年1月~4月の小売価格は低下しているという。ヒポフェラインス銀行の専門家は、余暇と衣類、通信、外食への支出が減少していると見ている。

 4月のスーパーガソリン価格は平均で1,13ユーロで、これまでの最高水準に達している。消費者にとって、エネルギー価格の上昇は税金引き上げと同じ効果があり、消費を圧迫している。但し、ユーロ高が石油などの原料価格上昇を多少緩和している。原料価格の上昇は消費者以上に卸売業に影響しており、4月の卸売価格は前年4月比2,4%上昇した(3月は1%増)。これは2001年6月以来最高で、3月比では0,4%上昇した。しかし、経済専門家は、不景気ゆえに、高水準の原料価格が今後、消費者物価にそのまま反映することはないと見ている。原料価格の上昇は急成長する中国の需要増加に起因しているという。

2004年5月18日)

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