ドイツのニュース

140万件の診療所訪問は診断書を取りにいくだけ

   ドイツ職員疾病金庫(DAK)の調査結果によると、約140万件の診療所訪問は診断書を取りにいくだけであった。140万件の医者訪問が医療的に根拠付けられないのであれば、保健制度の少ないリソースを無駄遣いしていることになると、DAKは批判している。

 2004年度 DAK 健康レポートによると、2003年は約700万人の被雇用者が短期間(3日間まで)病気になった。そのうちの20%は診断書を書いてもらうためにだけ医者へ行った。偽りの病欠を防ぐために、人事部が診断書を要求しているからである。企業の約3分の1弱は病欠の第一日目から診断書を要求している。DAK によると、企業と従業員の信頼関係が強ければ、多少の病気でも従業員は病欠しないので、従業員の病欠日数が減少するという。企業との一体化を強く意識する従業員は病欠も少ない。

 しかし、医者側にも問題があると DAK は指摘している。アンケート調査回答者の37%は、被雇用者が必要以上に長い病欠日数の診断書をもらっていると回答している。原則的に、診察した日から週末までの病欠診断書を書く医者が多いという。

 DAK によると、病欠状況は州と業界ごとに大きく異なっている。病欠率が最も低いのはバーデン・ヴュルテンベルク州の2,8%で、最も高いのがベルリンの4,5%。旧東独平均は4,2%、旧西独平均は3,3%。業界別で見ると、弁護士と公認会計士(2,3%)とデータ処理(2,4%)が最も低い。最も高いのは公共行政(4,1%)と保健制度の職員(3,9%)であった。

 また、就業不能の原因として最も多い病気が筋肉と骨格の病気(22,4%)で、次が呼吸器官の病気(17%)、傷害(14,4%)、精神障害(8,8%)、消化器疾患(6,9%)、循環障害(5,8%)であった。

2004年5月24日)

戻る