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法定疾病保険金庫、再び黒字計上

 ドイツ薬局連盟(ABDA)によると、法定疾病保険の4月の医薬品支出は2億2900万ユーロほど減少した(前年同月比12,3%減)。第1四半期は9億ユーロ減少(17%減)。連邦保健・社会省は、保健改革の効果が出てきた証拠だと評価している。今年1月~4月の医薬品支出は約11億ユーロ減少しており(前年同期比約15%減)、これは法定疾病保険導入以来最大の支出減少であるという。シュミット保健・社会相は、この展開は法定疾病保険建て直しの良い基盤になるとして、保険料引き下げにつながることを期待している。

 一方、保健改革のおかげで、10年来赤字続きの法定疾病保険金庫が今年第1四半期に再び黒字を計上した。連邦保健・社会省によると、法定疾病保険金庫の今年第1四半期の収入は支出を約10億ユーロほど上回ったという。法定疾病保険金庫は2003年第1四半期には全部で6億3000万ユーロの赤字を計上していた。

 ドイツ最大の疾病保険金庫AOK(加入者約2600万人)は今年第1四半期に3億7000万ユーロの黒字を計上したと発表した。第2四半期の結果を見てから、保険料引き下げ時期を検討するという。AOKは2003年第1四半期に3億9500万ユーロの赤字を計上していた。

 連邦保健・社会省は、建て直し効果の主因として、初診料導入と医薬品自己負担の増加を挙げている。保険料引き下げの可能性が高くなってきた。

2004年5月31日)

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