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ドイツの若者、喫煙で欧州1位

   ドイツの若者は喫煙で1位、飲酒、麻薬、いじめでも上位、但し運動量は少ない。これが世界保健機構が6月4日(金)に発表した調査結果である。この調査は欧州33カ国とカナダと米国の16万人の若者(11~15歳)を対象に実施された。ドイツでは、ビーレフェルド大学の青少年研究者が5600人の若者にアンケート調査した。

 調査結果によると、ドイツでは、15歳の男子の25%、女子の27%が毎日タバコを吸っている。フランスとオランダは約19%、デンマークは15%であった。青少年研究者は、若者に「いい格好」を強いる環境があること、他国に比べてドイツ政府のタバコ政策が不明確かつ信用できないこと、説得力のある予防措置と明確な法的根拠に欠けることを要因として挙げ、保健政策上の緊急対策の必要性を指摘した。喫煙は、人生に対する満足度が低いこと、健康に及ぼす悪影響を自己評価できないこと、学校での成功体験が少ないことの表れであるという。

 飲酒でもドイツの若者は英国、オランダ、デンマークに次いで4番目に多い。13歳の若者の15%、15歳の若者の46%が毎週(1週間に最低1回)お酒を飲んでいる。さらには、15歳の若者の39%がすでに2回以上酒酔いの経験がある。

 麻薬では、調査した国では少なくとも若者の5人に1人が過去1年間にハシッシュかマリファナを吸っており、マリファナ入り手製紙巻タバコはカナダが最も多かった。ドイツでは18%が定期的に麻薬を吸っており、3%は常習者である。

 いじめでは、ドイツは上位4カ国に属している。15歳の若者の半分は、過去2、3ヶ月間に少なくとも一回は同級生をいじめたと回答している。いじめが最も少なかったのはスウェーデンで19%、最も多かったのがリトアニアで73%。繰り返しいじめをしている若者(過去2、3ヶ月で2~3回)はドイツが22%、スウェーデンが5%、リトアニアが41%であった。ドイツでは、11~15歳の若者の約33%が過去1年間に殴り合いに巻き込まれたと回答している。青少年研究者は、若者の攻撃的行動の要因の一つとしてドイツの学校制度を挙げ、学校に対して、緊急に予防措置をとるよう求めている。現行の学校制度では、子供たちが成功体験をできる機会が少なすぎるという。

 一方、ドイツの若者の運動量は少ない。どの年齢層も運動量が少なかった。ドイツよりも運動量が少なかったのは、フランスとベルギー、エストニアの11~13歳の若者。ドイツの若者は1週間に3,5日スポーツをしているが、米国の若者は4,2日。

 他のカテゴリーでは、ドイツの若者はよい成績を収めている。例えば、40%の若者が毎日果物を、31%が野菜を食べており、平均を上回った。肥満では、ドイツの若者は中位に位置する。平均で13~15歳の若者の11%が太りすぎないし肥満である。米国はその3倍。ドイツでは、女子の42%、男子の23%が現在ダイエット中か、ダイエットしなければならないと考えている。

 また、ドイツの若者は精神的に強く、すぐに嘆き悲しまない。スロバキア、ギリシャ、イタリアでは、56~52%の若者が心身障害を訴えているが、ドイツでは19%。ドイツは国際比較で最も少なかった。

2004年6月7日)

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