ドイツのニュース

教員の宗教的スカーフ着用の禁止は合憲

 連邦行政裁判所は6月24日(木)、宗教的スカーフの着用を理由に教員採用を拒否されているルディン氏(アフガニスタン出身)の訴えを却下した。判決によると、バーデン・ヴュルテンベルク州の法律は連邦憲法裁判所の判決に相応しており、授業中のスカーフ着用を禁止するに十分な法的根拠がある。原告は禁止に従わないので、公務員としての採用に必要な適性に欠ける。バーデン・ヴュルテンベルク州の教育法はキリスト教及びヨーロッパの教育・文化価値を言及しているが、それはキリスト教の優遇を意味していないという。(2004年4月5日のニュースを参照)

 バーデン・ヴュルテンベルク州のシャヴァン教育相は、教員のスカーフ着用禁止が明確化されたとして、判決を歓迎した。イスラムのスカーフは宗教的象徴だけでなく、政治的イスラム主義でも有り得るとする立法者の観点を連邦行政裁判所が確認したと評価し

 敗訴した教員の弁護士は再び連邦憲法裁判所に上訴する可能性を示唆した。しかし、バーデン・ヴュルテンベルク州を弁護したキルヒホフ氏は、教員の憲法訴願のチャンスは少ないと見ている。

 それに対して、緑の党はイスラム教に対する差別として、判決を批判した。欧州委員会もドイツの宗教的スカーフ着用禁止問題に注目しており、いくつかの連邦州の宗教的スカーフ着用禁止法は欧州法の差別禁止と一致しない可能性があると懸念している。

 一方、ニーダーザクセン州で学校内における宗教的スカーフ着用ゆえに教員採用を拒否されていた女性教員(イスラム教に改宗したドイツ人女性)も連邦行政裁判所に訴えていたが、急遽これを取り下げ、スカーフ禁止に従うと発表した。これを受けて同州政府はこの女性教員の採用に同意した。

2004年6月28日)

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