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初診料導入は低所得者層に影響

    今年1月に導入された四半期当たり10ユーロの初診料は特に低所得者層に影響を及ぼしており、低所得者が医者へ行かなくなっている。一般地域疾病保険金庫AOKのアンケート調査結果によると、1ヶ月の実質所得が1000ユーロ以下の世帯の19,2%は初診料ゆえに医者へ行くことを断念しているか、次の四半期に訪問を引き延ばしている。一ヶ月の実質所得が3000ユーロ以上の世帯では8,7%、全回答者の平均は11,7%だった。

 この調査結果は保健改革が社会的弱者に大きな負担を負わせていることを示しており、保健改革の決定的な弱点であると、AOK連盟のアーレンス会長が語った。しかし、全体的に、市民はコストを負担しなければならないが、システムの非経済的構造が改善されつつあるという。アーレンス会長は、早い時期の保険料率引き下げはなく、「14%の限界」を下回るのは来年になるという見方を示した。

 保険医連盟(KBV)によると、第2四半期も医者へ行く人が前年同期比10%減少している。10ユーロの初診料導入は医者訪問を持続的に抑制しているという。保険給付自体は悪化していないが、保険金庫のコスト節約は患者のコスト負担に移転している。貧しい人が初診料ゆえに医者に行けず、病気を長引かせる傾向にあることを注視しなければならないと、KBVは指摘している。また、インターネット薬局の認可は保険金庫にも患者にも利点をもたらしていない。価格の差は処方箋不要の医薬品市場においてのみ見られるが、郵送料を考慮すると価格に大差はないという。

 これに対して、連邦保健・社会省は、不要に医者に行かなくなったことは保健改革の成功と評価している。同省は、今年、医薬品支出を約30億ユーロ節約できると予想しており、今年中に保険料率を14%以下に引き下げることができると見ている。

2004年6月28日)

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