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連邦議会、ハルツIV法案を可決

 連邦議会は7月1日(木)、労働市場改革法案(ハルツIV法)を可決した。与党だけでなく、キリスト教民主同盟CDUと社会同盟CSUの大半も賛成したが、自由民主党FDPと民主社会党PDS、CDU/CSU議員3人、緑の党議員1人は反対し、CDU/CSUの数人の議員が棄権した。連邦参議院は7月9日に同法案を採決する。(2003年10月20日、12月15日、12月29日の主要ニュースを参照)

 両院協議会で、全国の439の自治体のうち69の自治体が連邦雇用エージェンシーに依存することなく独自に長期失業者の職業斡旋業務を引き受けることができるオプションがあることと、連邦が自治体の負担調整のために年間32億ユーロを提供することで、与党とCDU/CSUが合意したことから、ハルツIV法の成立が可能になった。CDU/CSUは「負担できる妥協だ」と評価している。また、クレメント連邦経済相は、この改革により、失業率が大幅に低下すると楽観的な見方を示した。

 ハルツIV法の目的は、2005年1月1日から失業扶助と社会扶助を失業手当 II (ALG II)に統合することである。この改革により、長期失業者(約320万人)に対する職業斡旋が強化されるほか、地方自治体の負担が25億ユーロほど軽減される。また、政府は、長期失業者のための雇用措置に今後も13億ユーロを投資することを約束した。

 労働組合と社会福祉団体は、ハルツIV法は多くの人々を貧困に駆り立てると厳しく批判している。連邦雇用エージェンシーは、税務署や年金保険金庫、疾病保険金庫などと密に連携して、失業者の財産状況を厳しくコントロールすることを明らかにした。場合によっては、家庭訪問もあるという。

 一方、連邦議会は、両院協議会で合意した「EU 農業改革を国内法に実施する法案」と不正労働取締り法案を可決した。連邦参議院が7月9日に可決すれば、不正労働取り締まり法案は今年8月1日に発効する。(2004年1月5日、2月23日、5月10日のニュースを参照)

20047月5日)

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