ドイツのニュース

大学が60%の学生を自ら選択できる

   連邦議会は7月1日(木)、大学大綱法(HRG)小改正案を可決した。大学大綱法小改正は大学を官僚制から解放し、大学の自主性を強化すると評価されている。この小改正が成立すれば、2005/2006年度冬学期から大学は入学許可数が制限されている学科(NC学科)の応募者の60%を自ら選択することができる。応募者の20%は高校卒業試験の成績に基づいて、さらなる20%はウェーティングリストに基づいて、大学学籍配分センターが配分する。

 ブルマーン連邦教育相がようやく同意したために、ドルトムントの大学学籍配分センターの権限の制限が可能になった。しかし、これまでも同センターの権限はそれほど大きくなかった。同センターはすべての大学学籍の20%だけを配分し、大学は入学許可数が制限されている7学科(医学、生物学など)では応募者の20%を自ら選択できた。但し、220の学部のうち約30の学部だけが学生選択の権利を実際に行使していた。また、自主選択する場合でも試験や面接をせずに、高校卒業試験の成績だけで決定していたのが実情である。

 各大学の学長は自主選択の比率(60%)に満足感を示しているが、ウェーティングリストに基づく配分が20%も占めることに対しては、「待つことは品質ではなく、誰にでもできることだ」と批判している。

 法律が改正されると、通常夏に応募者の試験をしなければならない教授の仕事は増える。また、応募者の高校卒業試験の成績、論文、面接などの選択基準がまだ明確ではなく、各州は選択基準の詳細を設定しなければならない。長期的に、各大学は学籍配分の完全自由化を望んでいる。大学が自主的に学生を選択することにより、中途退学率が大幅に低下するものと期待されている。現在、学生のほぼ25%が大学卒業資格なしに中途退学しており、さらなる25%は途中で専攻学科を変えている。

 キリスト教民主同盟(CDU)/社会同盟(CSU)は大学が完全に学生を選択できるようになることを要求しているが、この大学大綱法小改正を支持する意向である。従って、連邦参議院の同意は確実と見られている。

2004年7月5日)

戻る