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景気回復は雇用市場に及ばず

   6月の失業者数は減少したが、景気回復の効果は雇用市場にまで及んでいない。連邦雇用エージェンシー(旧連邦労働庁)が7月6日(火)に発表したところによると、ドイツの6月の失業者数は5月よりも59700人減少して4233417人になった。失業率は0,1ポイント低下して10,2%。2003年6月よりも25300人少ない。統計上は失業者にならないトレーニング参加者は61900人増えた。従来の統計方法では失業者数が4295300人で、2003年6月よりも約62000人増えており、ドイツ統一以来の最高水準となった。

 季節調整済み失業者数は1000人減の4369000人(失業率10,5%)。旧西独の失業者数は40759人減の2668895人(失業率8,1%)、旧東独は18971人減の1564522(失業率18,1%)。4月の就業者数は3月よりも189000人増えて3797万人になったが、前年4月よりも169000人減少している。季節調整済みでは28000人減少。

 ヴァイゼ長官は、失業者の減少は例年の春の回復だけに起因しているとして、景気回復がまだ労働市場に波及していないことを指摘した。また、今年初めて季節調整済み失業者数が減少したのはIch-AGのような労働市場政策上の措置のお陰であり、労働市場の転機は来年になると予想している。

 それに対して、クレメント連邦経済相は、人員削減傾向がストップしたと見ている。2005年上半期には「労働市場の転機」を迎えると楽観的な見方を示した。

2004年7月12日)

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