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会計検査院、連邦政府を批判

   会計検査院は連邦政府に対してもっと国家財政に尽力するよう求めた。1兆3000億ユーロ以上の財政赤字を抱えているにもかかわらず、公的資金の用途で旧態依然たる執務態度を続けているとして、連邦政府の予算・財政政策を批判した。連邦議会の会計検査委員会は会計検査院の勧告の約90%を支持しているが、いくつかの連邦省は欧州連合に責任転嫁しているとして、特に連邦財務省を厳しく批判した。また、様々な税金の無駄遣いケースを指摘して、税収入の綿密な計画、需要分析、コントロール、修正を連邦と州に求めた。

 会計検査院は異例の厳しさで、ドイツポストとドイツテレコムの株式売却収入で財政赤字を埋めるというアイヒェル連邦財務相の2005年度連邦予算案を批判した。連邦財産の売却は現行予算のためではなく、債務償還のために使われなければならないとする基本法115条に違反することを指摘した。また、労働市場における支出増、税収及びその他収入の減少ゆえに今年も新規債務が投資を明らかに上回り、補正予算が必要になると予想している。

 今年もマーストリヒト条約の「安定協定」(単年度財政赤字を国内総生産比3%以下に抑える)を守れないことを懸念しており、連邦と州に対して、制裁金の負担配分を検討しなければならないと警告している。

 会計検査院のエンゲルス長官は、支出を追加借り入れで賄う方法の方が節約よりも社会のコンセンサスを容易に得られるようだとして、社会は現在の生活水準を次の世代に賄わせることに慣れてしまってはいけないと語った。国家赤字は根本的には倫理問題であるという。

2004年7月12日)

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