ドイツのニュース

ストーカー被害者の増加

    ドイツにおけるストーカー行為が予想以上に増加している。精神保健研究所の調査結果によると、8人に1人がストーキングの被害者になっている。アンケート回答者の11,6%はストーカー行為(電話による嫌がらせ、待ち伏せ、つきまといなど)を受けたことがあると答えた。被害者の25%は1年以上嫌がらせを受けており、3分の1の被害者は暴力の危害を受けている。また、被害者の25%は医者ないしセラピストに通っており、ほぼ半分の被害者は不安や不眠に悩まされているという。

 ストーキング被害者の大半は女性である。女性の17,3%がストーカー行為を受けたことがあるのに対して、男性では3,7%。それに対して、ストーカーの85%は男性である。以前の夫(妻)やボーイフレンド(ガールフレンド)、近所の人や、同僚、家族の一員のように、被害者を個人的に知っている人が大半で、被害者を全く知らなかったストーカーは20%に過ぎない。

 ストーカー行為は、電話による嫌がらせ、車でのつきまとい、被害者の名前で物を注文(深夜のピザ注文)、物件毀損、暴力、性的暴力に及び、被害者に与える影響(不安、不眠など)は長期に渡る。被害者の16,7%は住居を替え、5%は職場を替えている。

 しかし、警察に行く被害者は20%に過ぎない。ドイツでは、強要、脅迫、身体傷害、侮辱、住居侵入は犯罪であるが、嫌がらせは犯罪行為ではない。そこで、ヘッセン州のヴァーグナー法務相は、「不当ないやがらせを犯罪にする」法案を連邦参議院に提出しており、今年末には連邦議会で審議される予定である。法案が成立すれば(早くて2005年)、ストーカーは最高2年の懲役刑で罰せられる。

 精神保健研究所のアンケート調査は男性1000人、女性1000人を対象に実施された。回答率は約34%(675人)。平均以上に被害者の方が回答したと仮定すると、統計結果に多少の歪みが出る可能性がある。そこで、同研究所は、全国的な大規模な調査の必要性を指摘している。

2004年7月19日)

戻る