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マンネスマン裁判、被告人全員に無罪

 デュッセルドルフ地方裁判所は7月22日(木)、前マンネスマン社長のエッサー氏、前マンネスマン監査役のアッカーマン氏(ドイツ銀行理事長)、前監査役のツヴィッケル氏(前金属産業労組委員長)など6人の被告人全員を無罪とする判決を下した。被告人は背任罪の疑いで訴えられていた。

 裁判所は、マンネスマンが英企業ボーダフォンに買収された際に、当時のマンネスマン役員と監査役に支払われた高額な報酬と退職金(全部で約5700万ユーロ)は株式法には違反するが、重い背任罪ないし従犯は証明されなかったと判断した。エッサー氏に支払われた約1500万ユーロの特別報酬は二重報酬であるほか、当時のフンク監査役会会長への報酬支払いでもアッカーマン氏とツヴィッケル氏は株式法に違反している。しかし、株式法に対する民法上の違反は刑事訴訟では審理されないとしている。

 無罪判決を受けて、検察側は連邦通常裁判所に上告することを決定した。

 マンネスマン裁判とダイムラー・クライスラー問題から、役員の高すぎる報酬を巡る議論が活発になっている。自由民主党(FDP)は刑事法と株式法の改正を要求している。しかし、ツィプリース連邦法務相は、役員報酬を法律で規定することや役員報酬の公開義務には反対する意向を明らかにした。憲法上の理由から、連邦政府は自由経済における報酬を法律で規定することはできないことを指摘している。法務相は、Corporate Governance Kodexで勧告されている任意による報酬公開を呼びかけており、この規範の実施で透明性が改善されない場合には、1年中に相応の法律を制定することを検討するという。

20047月26日)

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