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将来有望な都市は南ドイツに集中

   プログノス研究所とハンデルスブラット紙は、共同で実施した全国439都市・地方郡立地テストに基づく「2004年度未来地図」を発表した。この将来有望な都市ランキングによると、西ドイツの方が東ドイツよりも、南ドイツの方が北ドイツよりも有望であることが明らかである。109の都市・郡には将来「大変良い、良い、あるいは、少なくとも圧倒的にポジティブなチャンス」があり、210都市・郡は「チャンスとリスクの均衡のとれたミックス」、残る120都市・郡の見通しは悪い。

 上位10都市・郡は、1位ミュンヘン地方郡、2位ミュンヘン市、3位シュタルンベルグ地方郡(何れもバイエルン州)、4位ダルムシュタット市(ヘッセン州)、5位フライジング地方郡(バイエルン州)、6位ハイデルベルク(バーデン・ヴュルテンベルク州)、7位エアランゲン(バイエルン州)、8位シュツットガルト(バーデン・ヴュルテンベルク州)、ヴォルフスブルク(ニーダーザクセン州)、10位レーゲンスブルク市(バイエルン州)であった。

 ドイツで最も魅力的な経済都市・郡はマイン川よりも南に集中している。特にミュンヘン市/ミュンヘン地方郡/シュタルンベルク地方郡は圧倒的に強い経済圏を形成しており、パリやロンドンなどの欧州トップクラスの都市に匹敵する経済力を有する。

北ドイツで上位10都市に入ったのはヴォルフスブルクだけである(VWの本拠地)。上位20都市には東ドイツの都市はないが、ノルドライン・ヴェストファーレン州の都市も含まれていない(同州の最高はデュッセルドルフで18位)。ミュンヘンとその周辺、シュツットガルトとその周辺、ライン・マイン地方(フランクフルト、ダルムシュタット、マインツ周辺地域)がトップ3の経済圏で、国際競争力もある。南と北の差はここ数年間で著しく大きくなったが、将来もさらに差が広がると専門家は予想している。

 しかし、経済的に弱い地域でも大きな成長を示す有望な都市・郡がある。例えば、イェーナ(チューリンゲン州)、ドレスデン(ザクセン州)、ポツダムとベルリン南西部(ブランデンブルク州)が有望な成長地域で、今後促進されなければならない。専門家によると、技術革新的なクラスターが周辺地域にも推進力をもたらすという。

 ランキング1位と439位の差は大きい。最下位のホイェルスヴェルダ(ザクセン州)の生産性は約49351ユーロ、失業率は25,1%であるのに対して、首位のミュンヘン地方郡は生産性が148840ユーロ、失業率が5%である。

 専門家は、南ドイツと北ドイツの大きな差の主因として、立地政策の違いを指摘している。南ドイツの州、特にバイエルン州とバーデン・ヴュルテンベルク州は賢い経済政策を実施しており、その立地政策はエリート要請に基づいている。既存の成功している立地(クラスター)をさらに強化することで、弱い地域にも波及効果をもたらしている。それに対して、他の州は長い間、できるだけ州全体に同等な経済的前提をもたらそうと試みてきた(平等配当要請)。この総花的にばらまく政策は補助金を効果なしに枯渇させた。従って、成功している立地を一貫して促進することが重要であるという。

2004年7月26日)

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