オバサンの独り言

 いよいよ第28回オリンピック競技会アテネ大会が始まった。今回は大きな時差がないので、テレビ観戦のために睡眠不足になることはなさそうだ。アテネ五輪には、史上最多の202カ国が参加している。日常生活ではほとんど耳にしない国のなんと多いことか。自分の生活圏が広い地球の中ではほんの一角に過ぎないことを改めて思い知らされる。

 第一日目は日本選手が柔道で金メダルをとれそうだと聞いていたので、テレビ観戦を楽しみにしていたのだが、こういうときに限って用事が入ってくるものである。ちょうど柔道の決勝戦が始まる頃に外出しなければならなくなったため、オリンピック中継をビデオにとっておくことにした。

 夜帰宅して、優勝の瞬間を見ようとワクワクしながらビデオをかけると、ジージーなるだけで、画面には何も現れない。選りに選って、どうして今日壊れるの? それとも操作のミス? 腹を立てても後の祭り。ビデオには何も映っていなかったのである。

 第二テレビの「今日のハイライト」に望みをかけてテレビを見ていたが、柔道の決勝戦は見せてくれなかった。銅メダルをとったドイツ人選手の勝った瞬間とインタビューだけは何度も画面に映ったけれど、金メダルをとった日本選手二人の姿を見ることはできなかった。米国とは違い、日本の国歌はオリンピックではめったに聞けるものではないのに・・・。

 ドイツの公共テレビは一日中、オリンピック競技を中継しているが、見せてくれるのはドイツ人選手が出場している 試合ばかり。たまたまドイツ人選手が出ている試合に日本人選手も出ていれば、ラッキー! せめて「今日のハイライト」では、各種目の決勝戦ぐらいは見せてくれてもいいのではないかと思うのだが・・・。完全なるドイツ中心のオリンピック中継には毎回腹を立てている。 オリンピック特有の多様性が全く無視されているのではないか。

 オリンピックが始まると、外国で生活していることを再認識させられるのである。

2004年8月16日)

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