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放し飼い養鶏の鶏卵に限界値以上のダイオキシンを検出

 キュナスト連邦消費者大臣(緑の党)は、放し飼い養鶏の鶏卵から基準を上回るダイオキシンが検出されたという新聞報道を認めた。いくつかの州で検査した結果、今年1月から欧州連合で適用されているダイオキシン限界値(3ピコグラム)を上回っていた。2002年7月1日からケージ飼い養鶏の鶏卵に適用されている限界値が2005年1月1日からは放し飼い養鶏の鶏卵にも適用されている。

 ビルト・アム・ゾンターク紙は、放し飼い養鶏の鶏卵のダイオキシン含有量はケージ飼い養鶏の鶏卵の2,5倍に達すると報道していた。ニーダーザクセン州では放し飼い養鶏の鶏卵の28%、バイエルン州では20%以上に限界値を上回るダイオキシンが検出されたという。但し、多くの州では検査を実施していないために、数値が提示されていない。ケージ飼い養鶏の鶏卵の99%以上がEU限界値を下回っていた。

 ニーダーザクセン州のエーレン農業相は、同州の放し飼い養鶏の鶏卵の一部に基準以上のダイオキシンが検出されたことを確認した。バーデン・ヴュルテンベルク州の農業省スポークスマンも高いダイオキシン検出を認めたが、放し飼い養鶏の鶏10~20羽に検出されたもので、ほんの一部にすぎないと語った。この鶏卵は卸売りに回されなかったので、消費者に害は無いという。バイエルン州も新聞報道を認めている。

 キュナスト連邦消費者大臣は連邦州に対して、新しい欧州連合の基準を遵守し、限界値を上回るダイオキシンを含有する鶏卵を棄却処分するよう要請した。エコ食品連盟によると、今回のダイオキシン検出は飼料ではなく、環境問題(汚染された土壌)に起因している。しかし、「動物虐待的な養鶏方法」への逆戻りは解決策ではないとしている。

 それに対して、ニーダーザクセン州のエーレン農業相は、消費者保護よりもイデオロギーと動物保護を優先したとしてキュネスト連邦消費者大臣を厳しく批判した。連立与党内でも、ドイツで2007年から禁止になるケージ飼い養鶏の継続を支持する声が聞かれる。社会民主党の農業専門家は、今回の検査結果により、将来も平飼いと放し飼い養鶏のほかに第三の養鶏方法が必要であることが明らかになったと語った。

2005年1月24日)

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