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CDU/CSUとSPD、メルケル氏の首相就任で合意/初の女性首相誕生

 メルケルCDU党首は3週間の権力争いで勝利を収め、連邦首相に就任する。キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)は10月9日夜の党首会談でメルケルCDU党首の次期首相就任と閣僚ポスト配分で合意し、10日午前それぞれの幹部会で了承した。ドイツ初の女性首相が誕生する。

 CDU/CSUとSPDの合意内容によると、全部で16ある閣僚ポスト(首相を含める)のうちCDU/CSUとSPDが8ポストずつ分け合う。CDU/CSUは連邦首相(メルケル氏)、連邦総理大臣府長官、国防相、経済・テクノロジー相(シュトイバーCSU党首が就任。欧州政策も管轄とする)、内務相、消費者保護・農業相、教育・研究相、家庭・高齢者・女性・青少年相の8ポストを得る。その内6つのポストはCDU、2つはCSUに割り当てられる。SPDは首相ポストを断念する代わりに、見返りとして8つのポスト(外相、財務相、法務相、労働相、保健・社会相、交通相、経済協力相、環境相)を得る。また、CDU/CSUが連邦議会議長ポストも得る。

 メルケルCDU党首は記者会見で、大連立は雇用を創出する「新しい可能性の連立」でなければならないと語った。また、閣僚ポスト配分は公平な配分であり、閣僚ポストの人選はそれぞれの党が決定するという。それに対して、ミュンテフェリングSPD党首は、CDU/CSUとの安定した大連立政権を樹立することに寄与したいと語った。副首相と閣僚の人選は未定だという。CDU/CSU内でもSPD内でも合意内容に対する批判の声があった模様で、SPD幹部会では連立交渉開始の是非をめぐる採決で40人中2人が反対、7人が棄権した。

 一方、CDU/CSUとSPDは党首会談で、1)2010年から国内総生産の最低3%を毎年研究開発に投資すること、2)所得税制度を簡略化すること、3)日曜祭日・深夜手当ての免税を維持すること、4)協約自治を維持することでも基本的に合意したと発表した。

 CDU/CSUとSPDは10月17日(月)から正式な連立交渉に入り、11月12日には交渉を終了する計画である。しかし、特にSPD内にメルケル氏の首相就任に不満を持つ議員が多く、連立交渉が難航することも予想される。ミュンテフェリングSPD党首は、大連立政権の成立もメルケル氏の首相就任もまだ確定したわけではなく、すべては連立交渉次第であると語った。選挙戦で異なる政策を掲げてきた両党が個別の政策でどこまで歩み寄れるかが今後の焦点になる。

 SPD内ではシュレーダー首相が内閣に残留することを望む声が強いが、彼の進退は明らかにされていない。しかし、シュレーダー首相の退陣は確実と見られている。ミュンテフェリングSPD党首によると、シュレーダー首相は来週から始まる連立交渉には参加するという。

2005年10月10日)

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