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少子・高齢化で専門労働力が不足する

    ドイツ使用者団体連合会によると、現在は高い失業率が深刻な問題であるために、雇用市場の将来の問題が軽視されている。2015年には職場不足ではなく、専門労働力の不足が新しい立地問題として表面化することが予想される。しかし、政府は少子・高齢化の進展を認識しているが、その対応策を講じていないという。

 ニュルンベルク雇用市場研究所(IAB)も、就業者数が減少し、特に専門労働力が不足すると予想している。ドイツ労働組合連盟は失業者増加と専門労働力不足を最悪のシナリオとして警告している。IABはその原因として、多くの失業者の(職業)教育不足を挙げている。2020年までに多くの高学歴者が定年退職するが、その不足分を補充することができないという。今後、要求の高い職場の割合が上昇し、単純作業の職場の割合が低下する。これまでは若者の教育水準が向上していたために対応できていたが、90年代初頭以降は教育水準の成長が停滞傾向にあるという。

 そこで、ドイツ労働組合連盟は教育と継続教育への投資を増やすよう要求している。また、労働未来研究所は、社会保障制度の資金源を付加価値税のような間接税に移行するよう政府に求めている。減少する社会保険加入義務者が増加する高齢者の負担を負わなければならない場合は、保険料が上昇し、労働コストが上昇するからである。さらに、定年退職年齢引き上げの必要性も指摘している。専門労働力確保のためには、専門労働力としての移民を増やし、女性の就業率を高めることが不可欠であるという。

2005年10月10日)

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