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ドイツ語で文章を書けなくても帰化できる

    連邦行政裁判所は10月20日(木)、ドイツ語で文章を書けることは外国人の帰化の前提条件ではないとする判決を下した。外国人がドイツ語を話し、ドイツ語のテキストを読み、理解することができれば十分であるとしている。

 27年前からシュツットガルト市に住む42歳のトルコ人男性はドイツ語を上手に話せるが、ドイツ国籍取得のためのドイツ語筆記試験で合格できず、帰化を拒否されていた。2005年1月1日に発効した国籍法改正(十分なドイツ語力を要求)により、帰化の前提条件が厳しくなった。バーデン・ヴュルテンベルク州行政裁判所は広範な書き取り能力を帰化の前提条件として、この男性の帰化を拒否する判決を下していたが、連邦行政裁判所は、ドイツ国籍申請者は自主的にドイツ語の文章を書けなくても、ドイツ語のテキストを読み、口述し、内容を理解できれば十分であると判断した。

 連邦行政裁判所は、このトルコ人男性は帰化の前提条件を満たしているとして、州行政裁判所の判決を覆したが、もう一人のトルコ人(20年前からラインランド・プファルツ州に住み、ドイツ語を上手に話せるが、読み書きができない文盲の男性)に対しては、前提条件を満たしていないとして、帰化を拒否した。

 今回の判決は、ドイツ語筆記試験を義務付けている州(バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルクなど)の帰化手続きに影響を及ぼすものと見られている。これまで、ドイツ国籍取得のためのドイツ語試験は州ごとに異なっていた。社会民主党(SPD)の州では、聞き取りと会話のテストだけであるが、バイエルン州(CSU)とバーデン・ヴュルテンベルク州(CDU)ではハガキを書くテストも実施されている。その結果、SPDの州よりもキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の州の方が帰化を拒否される比率が著しく高い。

2005年10月24日)

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