ドイツのニュース

朗読CDの売上が急上昇

 ドイツ書籍販売業は今年9月までに売上の2,2%増を計上している。3年間続いた売上後退にストップがかかったようだ。しかし、同業界によると、この成長が今年末まで継続するかどうかは不透明である。総選挙後、消費者の買い控えが見られるという。同業界は今年の売上を前年並みとする今夏の予測を上方修正したが、売上成長は2%以下に留まる見通しである。

 この成長は特に朗読CDの売上急増に起因している。有名人の朗読を収録したCDの月間売上が30%以上に達している。また、業界が社会の出来事や傾向に敏感に反応して、関連書籍を出版していることも売上増につながっている。例えば、ドイツ人のローマ法王誕生、2006年度サッカーワールドカップなど。この傾向に応じて、時事問題に関する書籍が増えているという。

 一方、業界は、インターネット時代でも書店は存続すると見ている。インターネット上で出版会社や図書館に直接に本の照会をする人が多くなったが、多くの消費者は次々に出版される書籍の洪水に戸惑っているのが現状で、将来も書店のフィルター機能を必要としているという。

 世界全体では年間約120万冊の書籍が出版されており、その内の375000冊が英語、8万冊がドイツ語である。世界の書籍売上高は600億ユーロ弱。

2005年10月24日)

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