ドイツのニュース

登校拒否は助けを求める子供たちの叫び

 ドイツ青少年研究所(DJI)は学校を繰り返しサボっている14~17歳の若者300人を対象にアンケート調査を行った。その結果によると、繰り返し学校をサボっている常習者の10%は12歳になる前にサボりを始めていた。60%は12~14歳の時に始めた。常習者の4分の1は、教師がサボりを無視していたと回答している。16%は罰として一定期間授業に参加できなかったという。多くの学校がサボる生徒に対してお手上げ状態にあることが明らかである。常習者の33%は盗みなどの犯罪行為をしたことがあると答えているが、この割合はこの年齢層の平均を上回っていない。ハウプトシューレ(5~9年生)と特殊学校で登校拒否者の割合が特に高い。

 繰り返し学校をサボる若者の割合は3~10%と予想されるが、全国的な調査や体系的な分析、登校拒否に関する情報資料がないのが現状である。ドイツでは、若者の約10%が卒業資格なしに学校を出ている。それに占める男子と女子の割合はほぼ同じである。ドルトムント大学のアンケート調査結果によると、子供が喜んで学校へ行っていると回答した親は全体の40%に過ぎなかった。10年前は60%以上だった。

 ドイツ青少年研究所の専門家は、警察による登校強制は問題解決にならず、助けを求める子供たちの叫びとして登校拒否を理解しなければならないと語った。最も有効な手段は早い時期に予防措置をとることである。リスクの高い子供(クラスで孤立、成績低下、教師や他の生徒とのトラブル、家庭問題など)を早い時期に認識することが重要で、そのためには教員・両親・生徒間のコミュニケーションを強化しなければならないという。

 学校をサボる生徒や卒業資格なしに中退した若者は後に失業者になる可能性が極めて高く、無策は国に大きなコストをもたらす。従って、長期的な登校拒否予防プロジェクトは投資である。ドイツ青少年研究所は政府に対して早期支援と落第制度の見直しを求めている。

2005年11月7日)

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