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連邦政府、財政再建のための諸法案を閣議決定

 連邦内閣は11月29日(火)、財政再建のための諸法案を閣議決定した。その主な要旨は次の通りである。

     マイホーム補助金(Eigenheimzulage)を2006年1月1日に廃止する。但し、2005年12月31日までに購入したマイホームには適用されない。マイホーム補助金の廃止による税収増加分は2006年が約2億2000万ユーロ、2010年が37億ユーロ以上、2013年が約59億ユーロと試算している。この増収の内、42,5%ずつが連邦と州、15%が地方自治体の収入となる。ティーフェンゼー連邦交通・建設相は、マイホーム補助金による一括助成はドイツ国内の異なる不動産市場ではもはや適切な措置ではないと語った。新政権は連立協定で、2007年1月1日からは国が助成する老齢年金(リースター年金)にマイホームを含める計画であることを明記している。

     税制上の緊急プログラムが2006年1月1日に発効する。これには、退職金の一部控除の廃止、結婚手当及び出産手当の一部控除(それぞれ315ユーロ)の廃止、賃貸住居の定率法の廃止(但し2005年12月31日以前の賃貸住宅には適用されない。将来は統一した減価償却率2%が適用される)、税理士コストの控除の廃止(2006年度納税申告から適用)などの緊急措置が含まれる。

  一方、連邦内閣はミュンテフェリング連邦労働・社会相が提出した労働市場政策に関する法改正案も閣議決定した。その主な要旨は次の通りである。

     今年末に終了する予定だった58歳以上の失業者に関する特別規定(58歳以上の失業者は、たとえ本人が職場の斡旋を望んでいなくても、失業手当を受給でき、失業者統計にも把握されない。企業は人員削減の際にこの規定を活用している)を2007年末まで2年間延長する。現在、この規定の対象者は235000人で、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)はこの規定を今年末に廃止する意向であった。

     今年末に終了する予定のIch-AGプログラム(失業者の起業支援)を2006年6月30日まで延長する。

     高齢失業者のための様々な雇用市場措置を2007年末まで継続する。

     欧州裁判所の労働時間判決の実施期限(今年末に終了)を2006年末まで延長する。

     旧東独の失業手当 II (331ユーロ)を旧西独水準の345ユーロに引き上げる。この調整は2006年5月1日~7月1日の期間に実施する。

 連邦内閣が閣議決定した諸法案は12月14日(水)に財務委員会で審議される。連邦議会は12月15日(木)に第2、第3読会で採決する予定である。

2005年12月12日)

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