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11月の失業者数、予想外の減少

   連邦雇用庁が12月1日(木)に発表したところによると、11月の失業者数は10月より25000人減少して4531000人になった。但し、1年前よりも274000人多い。失業率は0,1ポイント低下して10,9%。11月の失業者数が減少したのは1994年以来のことである。過去5年間、11月と12月は平均で55000人ほど増加していた。季節調整済み失業者数は53000人減少して475万人。

 旧西独の失業者数は3081000人(失業率9,4%)、旧東独は1450000人(16,9%)。失業手当 II 受給者数は4926000人、55歳以上の失業者数は前年同月比16,0%増の564000人、25歳以下の失業者数は9,7%増の536000人。求人は84,1%増の422000人。就業者数は16万人増えて3937万人。10月の季節調整済み就業者数は15000人増加した。ここでは、引き続き1ユーロ・ジョブ従事者の増加が顕著である。

 連邦雇用庁のアルト氏は失業者減少の要因として、11月半ばまで暖かかった天候と失業申請件数の減少を挙げた。失業扶助と社会扶助を統合した失業手当 II  導入(ハルツIV 雇用市場改革)の統計上の効果が減少の主因であるという。また、Job-to-Job 斡旋(職場を失った人にすぐに新しい職場を斡旋する)が増えていることも減少に貢献している。今年の冬に失業者数が再び500万人の大台を超えるかどうかは未定だが、現状から見ると、1月と2月に500万人前後になると、アルト氏は予想している。

 雇用市場・職業研究所(IAB)は、来年の平均失業者数は今年の488万人から482万人に多少減少すると予測しているが、雇用市場の抜本的な回復は期待できず、社会保険加入義務のある就業者数も引き続き減少すると悲観的な見方をしている。また、旧東独でも経済の上昇傾向を期待できるが、成長幅は旧西独よりも少なく、特に輸出成長の恩恵が少ないと見ている。

 ミュンテフェリング連邦労働・社会相は失業者数減少傾向を政府の雇用市場政策の成果と評価した。この路線を一貫して、勇気を持って推進するという。それに対してドイツ労働組合連合は、「失業者減少は喜ばしいが、持続的改善の兆候ではない」と見ている。社会保険加入義務のある職場の削減が大きな問題であるとして、ミニジョブを廃止するよう政府に求めた。

2005年12月12日)

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