ドイツのニュース

女性就業者数が継続的に増加

    連邦雇用庁の雇用市場・職業研究所(IAB)の調査結果によると、ドイツでは1991年以来、女性就業者数が顕著に増加している。1990年代初頭は就業者全体に占める女性の割合が43%であったが、2004年はほぼ50%に達した。1991年以来、男性就業者は9,5%減少したが、女性就業者は9%増加した。但し、1991年~2004年の期間、労働時間全体に占める女性就業者の割合は41%に3ポイントしか上昇しなかった。

 この展開は女性就業者の約半分がパートタイム勤務をしていることに起因していると、同研究所の労働専門家は分析している。男性就業者におけるパートタイム勤務の割合は現在約15%と、極めて少ない。2004年はすべてのパートタイム就業者の4分の3が女性であったが、フルタイム就業者に占める女性の割合は37%だった。女性の場合は家庭の事情からパートタイム勤務することが多いが、男性の場合は職業生活の最初か最後にパートタイム勤務している。女性のパートタイム勤務が多いのは、家庭と仕事の伝統的な分担に起因しているという。

 また、2004年はパートタイム勤務の女性の半分以上が社会保険加入義務のある職場で働いていたが、パートタイム勤務の男性の4分の3は国から補助を受けたミニジョブ従事者であった。女性は高価値なパートタイムの職場で働く傾向が見られる。

 就業者全体に占める女性の割合では旧西独(48%)と旧東独(50%)にほとんど違いが見られないが、女性就業者におけるパートタイム勤務の割合では旧西独が50%以上、旧東独が38%と大きな格差がある。全体的に、旧東独女性の就業率は旧西独女性よりも高い。

 IAB専門家によると、ドイツにおける女性の就業率は一見、男性の就業率に接近しているが、女性のパートタイム勤務の割合が高いことから、依然として女性は所得、昇進、社会保障において極めて不利な立場に置かれているのが現状である。この状況を変えるためには、児童保育の改善と家庭にやさしい職場作りが不可欠であるという。

2005年12月12日)

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