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1月の失業者数、戦後最高の5037000人

 連邦雇用エージェンシー(旧連邦労働庁)が2月2日(水)に発表したところによると、ドイツの1月の失業者数は昨年12月より約573000人増加して、5037000人になった。500万人の大台を超えて、1933年以来の最高水準に達した。失業率は1,1ポイント上昇して12,1%。

 旧西独の失業者数は406000人増の3266000人(失業率9,9%)、旧東独は167000人増の1771000人(失業率20,5%)。失業手当 II 受給者数は4089000人、55歳以上の失業者数は前年同月比12,7%増の56万人、25歳以下の失業者数は前年同月比26,9%増の635000人。失業者の内訳は、12月の失業者4464000人+1月の悪天候ゆえの失業者345000人+ハルツIVにより新たに追加された失業者230000人。

 ヴァイゼ長官によると、今年1月1日に発効したハルツIV法に基づいて約23万人の就業可能な社会扶助受給者が失業者統計に加えられた。これらの社会扶助受給者はこれまでも仕事に就いていなかったが、就業可能であるにもかかわらず、失業者とはみなされていなかった。同長官は、今後さらに約7万人が同様に失業者統計に追加されると予想しており、2月の失業者数が増加することを予告した。失業者の急増は冬の悪天候による失業とハルツIVにより統計上追加された失業者に起因しているという。

 ハルツIV改革ゆえに1月の統計データを評価するのは極めて難しいと専門家は見ている。まだ全ての数字が把握されていないという。ハンデルスブラット紙によると、失業者統計に把握されない隠れた失業者を考慮すると、失業者数は約660万人に達すると推定される。経済諮問委員会のフランツ氏も700万人に近いと語っている。

 経済諮問委員会によると、昨年第4四半期には統計上現れない隠れた失業者が1594000人に達した。その内、早期退職者が100万人、継続教育措置を受けている人が28万人、国が補助金を出している職場に従事している人が165000人。これに1月に追加された就業可能な社会扶助受給者約23万人を加えると、失業者数は663万人になる。経済専門家は隠された失業者はさらに約190万人いると推測している。

 連邦政府は失業者として把握される就業可能な社会扶助受給者を過小評価していたようで、失業手当 II 支出がアイヒェル連邦財務相の予算を約40億ユーロほど上回る見通しである。

 クレメント連邦経済相は「驚愕させる数字」であるが、パニックに陥らないよう警告した。高い失業者数は労働市場改革による新しい統計方法にも起因しているとして、改革をあくまでも推進する方針を強調した。今年末には失業者数が昨年末(446万人)よりも20万人減少すると予測している。シュレーダー首相は、専門家が予測していたことで、驚いていないと語った。今年1月に発効した労働市場改革の効果がまだ表れていないが、労働市場は改善すると楽観的に見ている。

 それに対して野党は、連邦政府が無能ぶりをさらけ出したと批判している。また、労働組合は政府の根本的な路線変更を要求した。金融専門家は、労働市場の状況は根本的には変わっていないが、500万人の大台を超えた過去最高の失業者数というネガティブな心理的効果を過小評価できないと警告している。

 一方、連邦統計局によると、昨年11月の就業者数は前年比0,7%増の3900万人であった。この増加は長期失業者のための「1ユーロジョブ」に起因しているという。

20052月14日)

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