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社会給付支出、過去最高に達する

   社会的国家がドイツ国民経済を消耗させている。連邦保健社会省が発表した「2003年度社会的予算」によると、2003年は国内総生産に占める社会給付の割合が過去最高の32,6%であった。これは2002年よりも0,2ポイント、現政権がスタートした1998年よりも1,3ポイント上昇したことになる。計算上、8200万人の国民は子供から老人まで一人当たり平均で8416ユーロの社会給付を受けており、その総額は過去最高の6945億ユーロに達した。

 この「社会的予算」には、ドイツで支給されるすべての社会給付(社会保険(年金、疾病、介護)、疾病手当て、企業年金、社会扶助、青少年扶助、児童手当、住居手当、財産形成補助金などの支出の総額)が包括されている。2003年の社会的予算の資金調達には企業が最も寄与しており(1860億ユーロ)、個人世帯(1850億ユーロ)、連邦(1700億ユーロ)、州(830億ユーロ)、市町村(660億ユーロ)が続く。

連邦政府の改革にもかかわらず2004年と2005年も転機は見られないが、社会給付の割合は上昇せずに停滞すると連邦政府は予想している。シュミット連邦保健社会相は、連邦政府の「アジェンダ2010」改革により社会保障制度は安定すると楽観的な見方をしている。

 それに対して、経済団体の専門家は現政権の反経済成長・反雇用的社会政策の結果だと批判している。現政権が1998年に政権をとって以来、社会給付支出は15%ほど増大した。旧東独では、旧東独の国内総生産の約半分を社会給付に支出している。ドイツの社会給付額が1998年の水準に凍結されていたと仮定すると、納税者と被保険者の負担は1998年~2003年の期間に807億ユーロほど少なかったという。この期間の国民経済成長に対する社会給付支出の伸び率が顕著になっていると経済団体は批判している。

2005年2月14日)

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