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シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会選挙で現政権過半数を失う

 2月20日のシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会選挙で、キリスト教民主同盟(CDU)は得票率を35,2%(2000年)から40,2%に伸ばして、17年ぶりに第一党に返り咲いた(30議席)。社会民主党(SPD)は43,1%から38,7%に転落し(29議席)、緑の党は6,2%で変わらなかった(4議席)。自由民主党(FDP)は7,6%から6,6%に僅かに得票率を失った(4議席)。投票率は66,6%(2000年:69,5%)。

 シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会の議席数は69議席で、政権獲得には35議席を必要とするため、CDU は第一党になったものの FDP との連立政権樹立は果たせなかった(34議席)。CDU と FDP は政権獲得のために745票足りなかった。

 それに対して SPD と緑の党の現政権(33議席)は過半数を失ったが、南シュレースヴィヒ選挙民連盟 SSW (得票率 3,6%。2議席)の支持を得て連立政権を維持する意向で、SSW との交渉を進めている。SSW はシュレースヴィヒ地方のデンマーク人とフリース人を代表する地域少数党で、第二次世界大戦の歴史的事情から 5%阻止条項を適用されない。

 SSW と SPD、緑の党は学校政策(現行の三分枝制度を廃止して、統一学校制を導入し、9年生までは全ての生徒が統一学校へ通うようにする)で合意しており、SSW は SPD/緑の党の現政権を支持する方向で具体的な交渉をすることを決定した。CDU と FDP はスカンジナビア諸国の学校制度を模範とする統一学校制度に反対している。

 メルケルCDU党首は CDU の勝利を「すばらしい結果だ」として、5月のノルドライン・ヴェストファーレン州議会選挙と2006年の総選挙にとって良い兆候だと評価した。また、SPD/緑の党が過半数を失ったにもかかわらず、5%阻止条項を適用されない、一部地域の有権者だけを代表する少数党である SSW の支持を受けて政権確保を図っていることを批判した。全州の有権者の真意を反映するために、CDU と SPD がカールステンセン州首相(CDU)の下に大連合政権を形成すべきだと要求している。

 それに対して SPD は、過半数を失っても政権に就く者が勝者だと強気を示した。国民の SPD 離れにストップがかかったと評価しており、ノルドライン・ヴェストファーレン州議会選挙での勝利を確信している。

 SSW は州議会の委員会への参加権がなく、委員会では CDU/FDP が過半数を占めることから、SPD/緑の党が政権を維持しても前途は多難である。

20052月28日)

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