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連邦会計検査院、連邦雇用庁の電子職業紹介を批判

   連邦会計検査院は連邦議会経済委員会に提出した審査結果の中で、連邦雇用エージェンシー(BA)の仮想雇用市場による電子職業紹介には重大な欠陥があると指摘している。約3分の1の検索結果には誤りがあり、応募者プロフィールと求人データの大半は不完全である。また、機能性や操作のし易さにも問題がある。従来の職業紹介システムと比べて、電子職業紹介は改善されておらず、一部、かえって悪化している。2004年7月に仮想雇用市場で公表された求人は423000件で2年前よりも27000件少なくなっており、2005年1月の調査でも改善が見られなかったという。

 このシステムではコンピューター支援職業紹介の雇用市場への効果(失業期間の短縮など)が表れているのか、あるいは表れるのか認識できないためコントロールできないとして、連邦会計検査院は連邦雇用エージェンシーの電子職業紹介による11億ユーロ以上の節約計画を単なる推定に過ぎないと厳しく批判している。このプロジェクトの経費は当初6500万ユーロと見積もられていたが、入札した企業との契約では1億800万ユーロにほぼ倍増した。プロジェクトの経費は総額1億6300万ユーロを上限としているが、連邦会計検査院は2億~2億3000万ユーロになると予測している。連邦会計検査院は、連邦雇用エージェンシーにはプロジェクトを制御、評価する権限が欠けているために、自らプロジェクトをコントロールできない点を指摘している。

 それに対して、連邦雇用エージェンシーは連邦会計検査院の批判を退けた。指摘された弱点はすでに改善されているという。また、仮想雇用市場の効果は、システムが完全に整備されてからでなければ評価できないと反論している。

2005年2月28日)

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