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再選を逸したズィモニス州首相、辞任

 シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会は3月17日(木)、州首相を選出する選挙を行ったが、ハイデ・ズィモニス現州首相が4回目の投票でも過半数(35票)を得られず、5回目の投票を断念したことから、州議会は新州首相を選出しないまま閉会となった。州議会は4月27日の会議で州首相を選出する。それまでは現政権が業務を執行する。ズィモニス州首相は翌日3月18日、辞任を発表した。(2005年2月28日のニュースを参照)

 2月20日の州議会選挙で第一党に返り咲いたキリスト教民主同盟(CDU、30議席)と自由民主党(FDP、4議席)が推すカールステンセン氏(CDU)は34票、少数党である南シュレースヴィヒ選挙民連盟(SSW)の支持を受けて連立政権継続を図る社会民主党(SPD)と緑の党が推すズィモニス現州首相(SPD)も34票で、棄権が1票であった。SPD(29議席)、緑の党(4議席)、SSW(2議席)は35票の過半数でズィモニス現州首相を新州首相に選出する予定であったが、4回目の投票でも35票を得られなかった。社会民主党議員が棄権したものと見られている。

 社会民主党はあらゆる政党と連立のための交渉を始めると発表した。新しい候補者で再選出、SPDとCDUの大連合政権あるいは再選挙が選択肢として考えられるが、ミュンテフェリングSPD党首は州議会再選挙に反対しており、SPD/CDUの大連合政権が有力視されている。CDUのカールステンセン氏はあらためてSPDに大連合政権のための交渉を申し出た。メルケルCDU党首も SPD に大連合政権を求めている。

 ズィモニス氏の前代未聞の落選劇は政界に大きな波紋を呼んでおり、SPD内では「裏切り者」探しが始まっている。人気の高かった唯一の女性州首相ズィモニス氏の落選は5月に控えるノルドライン・ヴェストファーレン州議会選挙と来年の総選挙に影響を及ぼすものと見られており、SPDと緑の党は危機感を強めている。

2005年3月21日)

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