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ドイツの経済成長率、欧州連合で最下位

    欧州委員会が発表した経済見通しによると、欧州委員会は、ドイツが今年もマーストリヒト条約の「安定・成長協定」を達成できず、単年度財政赤字が国内総生産比3,3%に達すると予測している。ドイツは4年連続で「安定・成長協定」に違反することになる。欧州委員会は昨年秋にはドイツの2005年度財政赤字が国内総生産比2,9%に低下すると予想していた。修正の理由としては、ドイツの2005年度経済成長がこれまでの予想よりも弱まっていることを指摘している。

 欧州委員会はドイツの2005年度経済成長率予測を1,5%から0,8%に下方修正した。ドイツは再び欧州連合加盟国25か国中最下位である。ユーロ圏の経済成長率予測は2,0%から1,6%に、欧州連合全体では2,3%から2,0%にそれぞれ下方修正した。その要因としては、高い石油価格とEU内需の停滞を挙げている。

 欧州連合は3月に首脳会議で「安定・成長協定」の緩和を決定しており、ドイツは財政赤字を国内総生産比3%以下にするまでに時間的余裕を与えられる見通しであることから、欧州委員会はすぐに制裁手続きに入る必要はないとの見解である。欧州委員会は、ドイツが2005年には財政赤字を3%以下に抑えられると予測していたため、昨年12月にドイツに対する制裁手続きを停止している。

 アイヒェル連邦財務相は、景気が著しく弱い状況では節約政策を考えていないことを明らかにしており、3%以下の目標達成のために新しい緊縮財政策を提案するかどうかは未定である。連邦政府は4月末に新しい経済予測(現在の経済成長率予測は1,6%)を発表し、5月12日に提出される最新の税収予測に基づいて節約措置について決定する予定である。

2005年4月18日)

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