ドイツのニュース

ドイツでは技術者が不足している

 ドイツ経済研究所(DIW)によると、大半の先進国ではヒューマンキャピタルの増加(人口に占める高学歴者の割合の上昇)が国民経済の成長の一部を生み出しているが、ドイツでは過去10年間にヒューマンキャピタルの改善が経済成長にほとんど貢献しなかった。時間あたり生産性の上昇だけが僅かに成長に貢献したという。

 他の工業先進国では、25~34歳の就業者全体に対する技術・自然科学及び数学科の大学生の割合が上昇しているのに対して、ドイツでは変化が見られなかった。技術系の大学卒業生は1998年から2002人にかけて18%も減少している。

 ドイツ技術者協会(VDI)のアンケート調査によると、技術系企業の4分の1は求人の職場に適した応募者がいないという問題を抱えている。求人の5分の1には応募者がいないほか、応募者が業界の知識に欠けているか(57%)、応募者の希望する給与が高すぎる(24%)ためである。

 同協会は、技術者不足に鑑み、ここ数年来、技術系学部への入学者が再び減少傾向にあることを警告している。現在、年間約5万人のエンジニアの需要があるのに対して、大学卒業生は34000人に過ぎず、定年退職者を補うのがやっとの状態である。アンケート調査に回答した1000社の技術系企業の43%は今後2年間に生産増大とそれに伴うエンジニア需要の上昇を見込んでいる。特に、情報通信、バイオテクノロジー、医療技術、化学/薬品、自動車、機械・プラントなどの業界でエンジニア需要が高い。

2005年4月18日)

戻る