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子供を欲しくない男性が増える

    連邦人口調査研究所(BiB)が連邦内務省の委託で20~64歳の4000人を対象に実施したアンケート調査結果によると、自由意志により子供を作らない人が増えている。特に、子供を欲しくない若い男性の増加が顕著である。20~39歳の年齢層の女性の約14,6%が子供を欲しくないと回答したのに対して、男性では26,3%であった。子供を欲しくないと回答した人の割合は、旧西独では女性が16,6%、男性が27,2%、旧東独では女性が5,8%、男性が21,1%。1992年は女性が9,9%、男性が11,8%であった。

人生設計にも男女の差が見られ、男性の方が女性よりも子供なしの生活に満足している。20~39歳の年齢層の子供のいない人では、3分の1以上が現状に満足していると回答した。研究者は、「自由意志により子供を作らない考え方が浸透している」と評価している。

 また、欲しい子供の数は1992年の2,0人から1,7人に低下した(旧西独では女性が1,73人、男性が1,59人、旧東独では女性が1,78人、男性が1,46人)。現在、出生率は女性一人当たり約1,4人であり、欲しい子供の数と実際の子供の数の差がなくなってきたことが明らかである。しかし、研究者は、20~45歳の年齢層の80%がすでに子供がいるか、子供を望んでいることをポジティブに評価している。女性の50%強、男性の40%弱が欲しい子供の数を2人と回答した。子供が2人欲しいと回答した人の割合は旧西独では女性が53,7%、男性が40%、旧東独では女性が50,6%、男性が45,0%。研究者によると、欧州では子供に対する無関心はドイツとオーストリアだけに顕著で、他の EU 加盟国では多くの人が子供2人以上の家庭を築くことを計画しているという。

 自由意志により子供を作らない理由としては、83%の人がパートナーがいないことを、62%の人が現在の生活水準を維持したいことを挙げている。余暇や職業のためと回答したのは40%。家庭と職業の両立では、特に旧西独の女性の多くが常勤に反対し、パートタイムに賛成している。仕事のために幼児期の子供を一人にしたくないという思いが旧東独の女性よりも強いようである。

 また、家族政策は子供が欲しいという既存の願望を達成するのを容易にしてくれるが、だからとってもっと子供を作ろうとは思わないと回答する人が多く、家族政策が子供願望には影響を与えないことを示している。

 シリー連邦内務相は、「子供を拒否することは生存を拒否することだ」として、生存を脅かす、将来を否定する、エゴイスティックな傾向を強めないためにも積極的な価値論議をしなければならないと語った。与野党の政治家は保育サービスの充実化を求めている。

2005年5月9日)

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