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5月の失業者数、約481万人に減少

   連邦雇用庁が5月31日(火)に発表したところによると、ドイツの5月の失業者数は4月より約161000人減少して4807000人になった。しかし、2004年5月より513000人多い。失業率は0,4ポイント低下して11,6%。就業者数は増えているが、社会保険加入義務のある就業者数は減少する傾向が顕著になっている。

 旧西独の失業者数は3170000人(失業率 9,7%)、旧東独は1637000人(18,9%)。失業手当 II 受給者数は4666000人、55歳以上の失業者数は前年同月比20,2%増の575000人、25歳以下の失業者数は24,2%増の568000人。求人は38,5%増の442000人。就業者数は0,4%増の38839000人。

 ヴァイゼ長官は、失業者の減少は温暖な季節になって雇用が増加する例年の春の傾向だけに起因しており、景気回復による本格的な雇用増加ではないと語った。雇用市場における景気の推進力も特別要因も見られないという。季節調整済み失業者数は489万人と、横ばい状態にある。

 ヴァイゼ長官は特に、社会保険加入義務のある就業者数が再び減少していることに大きな不安要因を指摘している。3月は社会保険加入義務のある就業者数が前年3月よりも302000人減少して2613万人だった。もう一つの懸念材料は職業訓練の職場が依然として不足していることである。185000人の職場が不足しており、これは前年水準で、改善が見られない。

 しかし、与党は、改革政策の成果と構造上の改善が見られると楽観的に評価している。クレメント連邦経済・労働相は、就業者数が138000人増えたことを改革政策の成果と見ているが、ヴァイゼ長官は、就業者増加はミニジョブとIch-AG(補助金による自立)、1ユーロジョブの増加だけに起因していることを指摘した。現在、1ユーロジョブの従事者だけでも約155000人おり、これらのジョブの増加に伴って、社会保険加入義務のある就業者数が減少しているという。

 クレメント連邦経済・労働相は、スポーツ団体や社会福祉団体などの公益団体における1ユーロジョブ(契約期間3年間)を58歳以上の失業者3万人に提供し、雇用市場の改善を図る計画であることを明らかにした。連邦雇用庁は今年の年平均失業者数を473万人と予測している。

2005年6月6日)

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