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警察犯罪統計:過去最高の検挙率

   シリー連邦内務相が6月9日(木)に発表した警察犯罪統計によると、2004年の犯罪件数は前年比0,9%増の6633156件で、被疑者数は1,2%増の2384268人であった。検挙率は54,2%で、警察犯罪統計が始まった1953年以来の最高水準となった。1993年の検挙率は13ポイント低かった。シリー連邦内務相は、「ドイツは世界で最も安全な国の一つである」と強調した。

 昨年の殺人件数は前年比2,4%減の2480件であった。1999年以来13ポイント低下している。検挙率は96,1%。子供の被疑者は8,4%減少した。窃盗件数は2,3%減の約296万件で、犯罪全体の約半分を占めている。辻強盗は2,1%減、家宅侵入と自動車窃盗は6,8%減。薬物による死亡者数は1989年以来の最低水準に低下した。銃器の使用件数も2003年より12,5%減少した。シリー連邦内務相は、検挙率を高めるためにDNA分析をもっと広範囲に投入したい考えであることを明らかにした。

 一方、傷害罪は約14万件に5,4%増加した。但し、これは実質的増加ではなく、勇気を持って告発する女性や子供が増えたためであるという。傷害事件では縁故関係が多く、そのほとんどの被害者が女性である。殺人事件でも女性の被害者の4分の3が加害者と血縁関係にあるか、知り合いであった。

 詐欺件数は7,5%増の941859件であった。その内、コンピューターによる犯罪が約12%増加し、クレジットカードの詐欺も67000件に4,8%増えた。特にオンラインショッピングにおける詐欺が急増している。児童ポルノ犯罪件数も急増しており、児童ポルト所有件数が68%増、児童ポルノ販売・公開件数が30%増であった。

 ドイツの犯罪統計は全体的にポジティブな展開を示しているが、青少年犯罪の増加大きな社会問題になっている。シリー連邦内務相は、親の躾の欠如を指摘して、「警察が教育の欠如を補うことを期待することはできない」と語った。特に若い移住者の暴力行為が増えており、何度も暴力犯罪を繰り返す加害者の4分の1は移住者である。

2005年6月20日)

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