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ベルリンは縮小、ハンブルクとミュンヘンは成長

    ケルン大学がベルリン/ハンブルク/ミュンヘン/ケルンの2040年までの人口推移を調査した人口統計調査結果によると、ドイツ4大都市の人口推移には大きな相違が見られるが、大都市でも少子高齢化が顕著である。

 専門家の推定によると、ベルリンの2040年の人口は2003年の339万人より8%減少して300万人強になる。年齢層別人口構造では、若者と中年の年齢増から65歳以上の年齢層に人口が大きく移動し、65歳以上の年齢層の割合が2003年よりも64%上昇する。現在、ベルリンには80歳以上の人が13万人、20歳以下の人が603000人いるが、2040年は80歳以上の人が26万人、20歳以下の人が436000人になると推定される。また、住民の移動により、ベルリンの人口は年間5000人減少すると予想される。

 それに対して、ハンブルクの人口は2003年の173万人から2040年は200万人以上に増加する。年齢層別人口構造では、ベルリンと同じ傾向が見られる。2003年は80歳以上の人が8万人、20歳以下の人が31万人であるが、2040年は80歳以上が107000人、20歳以下が335000人と予想される。ベルリンとは異なり、ハンブルクの人口は長期的に増加する見通しである。

 また、ミュンヘンの2003年の人口は127万人であるが、2040年には14万人ほど増加する。2003年は80歳以上の人が54000人、20歳以下の人が204500人であるが、2040年は80歳以上が76000人、20歳以下が223000人になると予想される。

 ケルンの人口は102万人から104万人に僅かに増加する。他の3都市同様に高齢化が顕著で、80歳以上の人は今後35年間で38000人から57000人に増加するが、20歳以下の人は181000人から175000人に減少する。65歳以上の人の割合は2040年までに25%上昇する。新しい移住者なしには、ケルンの人口は2040年までに20%減少すると予想される。

 専門家は、移住者の大幅増加なしにはハンブルクとミュンヘンでも人口は著しく減少すると予想している。ミュンヘンとハンブルクは魅力的な都市であると同時に、若者に職場を提供できる展望があるために、新しい移住者を呼び寄せることができる。それに対して、ベルリンは首都であることに満足し、他の分野でも魅力的にすることを怠ってきたことにベルリン縮小の要因がある。ドイツ統一後に補助金が投入されてきた多くの職場や生産工場が失われていったことも一因であるという。専門家は人口推移に基づく長期的な対策を検討するよう政治家に提案している。例えば、今後、幼稚園数を少なくして、高齢者向け住宅を増やさなければならないとしている。

2005年6月20日)

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