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6月の失業者数、約470万人に減少

   連邦雇用庁が6月30日(木)に発表したところによると、ドイツの6月の失業者数は5月より約103000人減少して4704000人になった。しかし、2004年6月より471000人多い。失業率は0,3ポイント低下して11,3%。その内の約33万人はハルツIV改革により今年1月から登録された失業者である。ハルツIV改革では、これまでに約38万人の社会扶助受給者が失業者として登録された。季節調整済み失業者数は4858000人で、23000人ほど減少した。失業率は11,7%。

 旧西独の失業者数は3116953人(失業率9,5%)、旧東独は1587097人(18,5%)。失業手当 II 受給者数は4707000人、55歳以上の失業者数は前年同月比20,3%増の570000人、25歳以下の失業者数は20,4%増の552000人。求人は43,8%増の439000人。就業者数は0,3%増の38840000人。

 ヴァイゼ長官は、6月の失業者減少は景気の回復によるものではなく、例年の季節要因と1ユーロジョブの増加に起因していると語った。194000人の失業者が公益の職場で1ユーロジョブに従事しており、失業者統計には把握されない。1ユーロジョブ従事者は約24万人と推定されている。また、Ich-AG 件数もほぼ同水準で、同様に失業者統計に把握されない。ハルツIV改革による失業手当 II は導入後6ヶ月間にまだポジティブな成果を挙げていないという。また、ヴァイゼ長官は、社会保険加入義務のある就業者数が4月に123000人増えて2615万人になったが、前年同月よりも33万人少ないことを指摘して、社会保険加入義務のある就業者数の伸び悩みに懸念を示した。

 連邦雇用庁は、夏休みの始まる7月は失業者数が多少増加するが、8~10月は全部で約20万人減少し、11月と12月に再び増加すると予想している。年平均の失業者数は480万人の見通し。

 クレメント連邦経済労働相は6月の失業者減少を労働市場改革の成果として評価した。それに対して、野党は、Ich-AGと1ユーロジョブは「統計を美化する手段」にすぎず、労働市場の現状は失政の結果だとして連邦政府を批判した。労働組合と連邦使用者連盟も労働市場の転機が見られないとして、失業者減少幅に失望感を示した。

2005年7月4日)

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