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ドイツの大学入学率が上昇

   経済協力開発機構(OECD)の調査結果によると、ドイツの大学入学率は1998年の28%から2003年は36%に上昇した。理工系の入学者が再び増加しており、理学部入学者は対1998年比79%増、工学部入学者は55%増であった。ブルマーン連邦教育相は、大学入学者を増やすためにも大学教育は無料でなければならないと語った。OECD専門家は、有料化の場合には、米国や英国のように奨学金制度や学資貸付制度を整備しなければならないと指摘している。

 また、ドイツの2003年の大学卒業率は1998年の16%から19,5%に上昇したが、OECD平均の32,2%を大きく下回った。ブルマーン連邦教育相は、学士/修士制度の導入により大学卒業率が上昇することを期待している。しかし、2003年は学士/修士コースを選択した大学入学者は9%に過ぎなかった。

 一方、ドイツでは、25~64歳の年齢層の66%が少なくとも高校を卒業しているか、職業教育を終了している。ドイツには(職業教育)複線システムがあることから、人口の83%が高等教育を受けている。1位は米国(88%)で、次にノルウェーとスロバキア(87%)、カナダ、日本が続く。ドイツと米国以外のOECD諸国では、24~34歳の年齢層における高等教育終了者の割合が45~54歳の年齢層よりも著しく高くなっているが、ドイツの教育水準はそれほど上昇していない。そこで、専門家は、外国人子弟のドイツ語教育を促進して、教育水準を向上させるよう求めている。

 25~64歳の年齢層における大卒者の割合では、ドイツは14%で18位だった。1位はノルウェーと米国の29%、3位はデンマークで25%、4位はカナダ、韓国、オランダの22%、7位は日本で21%。博士の割合では、ドイツは2%で、スウェーデン、スイス、スロバキア、ポルトガルに次いで5位だった。OECD諸国では年齢層別大卒者の割合が継続的に上昇しているが、ドイツはどの年齢層も14~15%で変わらない。

 ブルマーン連邦教育相によると、外国で学ぶ学生の11%はドイツの大学で学んでおり、ドイツは米国(28%)と英国(12%)に次いで外国人学生に人気があるという。また、ドイツの歳出に占める教育支出の割合は1995年比0,1%増の9,8%であった。OECD諸国平均では11,9%から12,9%に上昇している。ドイツの教育投資は国内総生産の4,4%で、OECD28カ国中20位であった。OECD専門家は、特に初等教育への投資が少ないことを指摘している。

 OECD専門家はドイツ教育制度の問題点として特に、教育への投資が少ないこと(OECD平均以下)と大卒者が少ないことを挙げている。大卒者需要の伸びが大卒者増加を大きく上回っていることが経済成長にも影響を及ぼすと警告している。

2005年9月26日)

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