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幼稚園にドイツ語と国旗と大統領の写真を義務付け

    ヘッセン州南部にあるディーツェンバッハ市の市議会は、12の市営幼稚園に国旗と連邦大統領の写真を義務付けること、ドイツ語を唯一の日常語とすることを決定した。また、幼稚園は祭日について幼児に分かるように説明しなければならない。社会民主党と緑の党、自由民主党はこの議案に反対した。

 同市では、住民(35000人)の約27%が移民(大半がトルコ人とモロッコ人)で、ドイツ人の子供が少数派である幼稚園もある。ブッターヴェック議員(キリスト教民主同盟)は、多くの幼児にとって幼稚園がドイツ語を話す唯一の場所であることをドイツ語義務化の理由として挙げた。「家でドイツ語を話さない子供たちは将来の失業者である」という。他の言語を禁止することが目的ではないが、ドイツ語に留意するよう幼稚園の先生に要請するものであると語った。 

 議案に反対した社会民主党は、ドイツ語習得の促進は歓迎するが、連邦大統領の写真と国旗も含めた「強制措置」には反対するという見解で、今回の決議は同化ではなく、対極化を招くと批判している。また、緑の党は、「学習言語はドイツ語でなければならないが、子供に母国語を禁止するのは破壊的だ」と厳しく批判した。

 それに対して、ブッターヴェック議員は、「多くの移民はすでに2世、3世であるが、同化していないのが現実だ」として、同化する意思の欠如を指摘した。

2006年10月16日)

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