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連邦内閣、年金保険料率引き上げを閣議決定

 連邦内閣は112日(木)、法定年金保険料率を20071月1日に現在の19,5%から19,9%に引き上げることを閣議決定した。連邦労働・社会省は、「連邦の追加補助金なしに、保険料率を2012年まで19,9%以下に抑えることが目的だ」として、6年間は保険料率が安定することを強調した。

 連邦労働・社会省によると、現在の年金保険金庫の財政状況では、来年の保険料率引き上げは19,7%で十分であるが、2008年に20%の大台を超える可能性が高いことから、連邦の追加補助金を回避するためにさらに0,2%ポイント引き上げるのだという。シュタインブリュック連邦財務相は、現在の連邦補助金(約800億ユーロ)を増額しないことを明言していた。また、連邦政府は保険料率を20%以下に抑えることを公約している。

 連邦労働・社会省の推定によると、すでに決定している年金受給開始年齢の67歳への引き上げにもかかわらず、年金保険料率は2030年に21,9%になる見通しである。年金受給開始年齢を引き上げなければ、保険料率は2020年に20,7%、2030年に23%に上昇すると試算している。

 連邦政府は、2007年に19,9%に引き上げた後は2012年まで連邦からの追加補助金なしにその水準を維持し、2013年に19,8%に、2014年に19,2%に引き下げる計画である。20%を超えるのは2020年以降になると予想している。税引き前の年金水準(標準年金受給者の年金額と平均就業者の賃金の割合)は2006年の52,4%から2020年は46,6%に低下する見通しである。

 一方、連邦政府は2007年と2008年も年金を据え置き、2009年と2010年にそれぞれ0,2%ないし0,3%引き上げる計画である。年金が2004年から据え置かれている一方で、疾病保険と介護保険の負担が増えているため、実質では年金が低下しているのが現状である。

 平均的老齢年金は旧西独の男性の場合、2003年が1006,72ユーロ、2005年が981,43ユーロであった。旧東独では1090,54ユーロから1057,54ユーロに減少した。旧西独の女性の場合は469,24ユーロから464,38ユーロに、旧東独の女性は661,64ユーロから660,67ユーロに減少した。旧東独の年金の方が旧西独よりも多いのは、旧東独の人の勤続年数の方が長いことに起因している。

2006年11月19日)

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