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ドイツは世界で最も安全な国の一つ

   ショイブレ連邦内務相とツィプリース連邦法務相は1115日(水)、過去5年間の治安報告書を発表した。ドイツは世界で最も安全な国の一つであるという。同法務相は、「法律を厳しくする必要はない」と語った。登録された犯罪件数は全体で僅かに減少したが、強盗と傷害は増加した。

 1990年代半ば以降、警察に登録された犯罪件数は停滞し、ここ2、3年は減少している。但し、暴力犯罪は1999年以来18%ほど増加した。これは、告発するケースが増えたことに起因しているという。ショイブレ連邦内務相は、暴力犯罪件数の増加は暴力を容認しなくなっていることの表れであり、告発に対する考え方が変わってきたことを指摘した。

 また、内務相と法務相は、メディアによってセンセーショナルな異常な犯罪ケースばかりが強調され、治安状況に対する間違った印象が与えられていることを指摘した。ツィプリース法務相は、「子どもの性的虐待後の殺害は年間2~5件と、一般に考えられているよりもはるかに少ない」と語った。経済犯罪は刑事事件全体の1,4%であるが、損害全体の50%以上を占めているという。

 一方、ショイブレ内務相は、ドイツはイスラム教徒によるテロの危険地域の一部であり、テロの標的になる可能性があるとして、警戒を促した。

 それに対して、警察労働組合は、この報告書は現実を反映していない部分があると批判的に見ている。同労働組合の委員長は、「報告書は多くの点で警察官の体験とは異なる」として、「警察官の方が多くの政治家よりも現実に近く接している」と述べた。また、警察官に対する暴力も増えていることを指摘した。自由民主党(FDP)のロイトホイザー・シュナレンベルガー議員も治安報告書を「信用できない」と批判している。

2006年11月19日)

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