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連邦議会、ストーカー規制法案を可決

 連邦議会は1130日(木)、ストーキング被害者保護の改善を目的とするストーカー規制法案を可決した。同法案は刑法典の更正で、ストーキング行為が新しい犯罪構成要件として刑法典に追加された。遅くとも来春までに発効する予定である。(20054月18日と9月26日のニュースを参照)

 ストーカー規制法案によると、被害者に執拗な心理テロを行う者、被害者の生命と健康に対する損害を脅迫する者は最高3年の拘留で処罰される。ストーカーがその被害者ないし被害者の近親者を生命の危険に追いやる場合には最高5年の軽懲役刑に処せられる。被害者ないしその近親者がストーキング行為の結果として死亡した場合には、最高10年の自由刑で処罰される。また、特に執拗な危険なストーカーは用心のために勾留することができる。犯罪構成要件には電話テロやつきまとい、待ち伏せ、脅迫、嫌がらせの無断注文などが挙げられる。

 現行の法律では、私的領域におけるストーキング行為は、傷害、住居浸入、強要などのような直接的侵害の場合にのみ処罰することができる。ここ数年、心理テロによるストーキング行為が増えているが、この種のつきまといが処罰されることは稀で、しかも最高1年の勾留罰であった。これを改正するために、「ストーキング行為」という犯罪構成要件が追加されたのである。

 ツィプリース連邦法務相は、「ストーキング行為は私事ではなく、罰すべき違法行為である」と語った。

 野党はストーカー規制法を歓迎する一方で、被害者保護が十分でないとして法案に反対した。また、報道の自由に対する同法の濫用の可能性があるとして、ジャーナリストが除外されていないことも批判している。

 すでに連邦と州がこの法案で合意していることから、法案が連邦参議院で可決されることは確実と見られている。

2006年12月5日)

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